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Column 審美歯科 矯正
人間の歯の数は乳歯で20本、永久歯で28本、親知らずを含むと最大32本あります。
しかし、永久歯が生まれつき足りないことがあり、これを「先天性欠如歯(せんてんせいけつじょし)」と言います。
乳歯の下では永久歯になるための歯の卵のようなもの(歯胚)が作られますが、何らかの理由で歯胚が出来ず、永久歯が生えてこない先天性欠如歯となります。

先天性欠如歯の原因は?
先天性欠如歯の原因は明らかになっていませんが
・遺伝
・歯の発育期における栄養障害
・外傷
・放射線障害
・感染
・母親の妊娠中の栄養障害や梅毒 などが考えられます。
先天性欠如歯が多くみられる場所
先天性欠如歯は、少数の歯が足りない「一部性歯牙欠如症」と、多数歯にわたり欠如がある「全部性歯牙欠如症(無歯症)」に分けられます。
日本小児歯科学界の調査によれば、上顎(約.4.37%)より下顎(約7.58%)と発生頻度が高く、乳歯では上下顎乳側切歯(前から2番目の歯)、永久歯では上下顎第三大臼歯(親知らず)、次いで上顎側切歯(前から2番目の歯)、上下顎第二小臼歯(前から5番目の歯)、下顎中切歯(前から1番目の歯)などで、第一大臼歯(前から6番目の歯)が欠如することは稀であると言われています。

先天性欠如歯が発生するとどんな影響があるか
歯がない状態が長期間続くため抜けた両隣の歯が倒れこんだり、噛み合うはずの位置の歯が伸びてきたりします。他にも、次のようなことが起こります。
・咀嚼障害
・歯列、顔貌への影響
・発音障害
・顎関節への影響 など
先天性欠如歯の治療方法
顎の骨の中で永久歯の歯胚が育ってくると萌出を始めます。その上にある乳歯の根が吸収されて短くなり、やがて抜け落ちます。このように歯は生え変わりますが、先天性欠如の場合乳歯の根は吸収されませんので、大人になっても永久歯が生えるべき場所に乳歯が残ったままになります。ただし、乳歯は虫歯になりやすいのと、徐々には根が吸収されるので20歳から30歳までには自然に抜けてしまうことがほとんどです。
本来抜けるはずの乳歯がまだ残っている場合、その乳歯は虫歯になりやすく、かつ進行しやすいため将来的に虫歯が原因で歯を失うリスクも高いです。乳歯を抜けるまで残しておく場合は、歯科医院での定期的なケアと管理が大切です。
先天性欠如の歯が発見されても経過を見ていく場合がほとんどです。顎のバランスや咬み合わせが悪い場合は成長期の矯正治療を行いますが、乳歯の抜歯は行わず顎の成長を誘導するだけにします。
もし乳歯が抜けてしまったら、下記の治療を行うケースが多いです。
・補綴的治療…ブリッジ、インプラント、入れ歯で永久歯がない部分を補う
・矯正治療…矯正治療をすることにより、永久歯がない部分のスペースを閉じる
(永久歯の先天性欠如が6歯以上だと、保険適応になります)
先天性欠如歯に適切な対応をすることは、安定した噛み合わせを作り、よく噛める歯にするには、必要な手段です。
先天性欠如の治療法は年齢によって異なります。
中学生くらいになると全体的な矯正治療が可能になってきます。残っている乳歯は20歳から30歳までには自然に抜けてしまうため、この時に抜歯をし、永久歯を移動させてすき間を閉じて歯並びを改善させます。
20歳以下の矯正治療適齢期ではできるだけ、歯を動かして自分の歯で噛み合わせを作ります。30歳以降で骨が固まってきている場合は歯を動かさずインプラントなどの補綴治療を行います。
まとめ
先天性欠如歯は、かかりつけの歯科医院や学校検診で指摘されるまで、本人や保護者も気づかないことが多いようです。
よって、かかりつけの歯科医院を見つけて診てもらうことをおすすめします。歯科医院でレントゲン写真を撮影して確認することで、歯の生え変わりが順調に進んでいるか、顎の骨に異常がないかなど、口の中全体の状態が分かります。定期的な確認は生え変わりを予測・観察しながら、歯を健康に保つことに役立ちます。
また、乳歯の前歯に癒合歯(2つの歯が1つになっている歯)がある、奥歯が乳歯のままいつまでも残っている、両親のどちらかに先天性欠如歯がある場合は、先天性欠如歯の発生確率は高くなります。その他、乳歯がなかなか抜けない、永久歯が生えてこないといった場合も、先天性欠如が疑われます。
日頃からご自身の歯に関心を持つことも、早期発見の1つの手段と言えるでしょう。
先天性欠如歯は長期的な治療計画が必要なため、「おかしいな」と思ったら早めに歯科医院を受診しましょう。
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