口腔外科
症状
- 顎関節症
- 顎関節脱臼
- 口内炎
- 口腔乾燥症
- 歯ぎしり、食いしばり
- スポーツ用マウスピース
- 睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
- 歯の外傷
- 舌痛症
親知らず
親知らずはこちらのページをご確認ください。
顎関節症
顎関節症の症状
代表的な症状は3つあります。
- ・口が開きにくい(開口障害)
- ・あごが痛い(顎関節痛、咀嚼筋痛)
- ・音がなる(関節雑音)
硬い食べ物が噛めない、大きな食べ物が食べにくい、あごの音が煩わしいなどの症状が現れることがあります。
顎関節症の原因
ストレス、悪い姿勢(頬杖、うつぶせ寝)、歯ぎしり、食いしばり、かみ合わせなどが考えらえます。
顎関節症の治療
・生活指導
あごの関節や周りの筋肉への負担を減らすために、硬い食品や長時間の咀嚼は避ける。
頬杖やうつ伏せになるのを避ける。
食事以外の時に上下の歯が接触していることに気付いたら、歯を離すようにする。
ストレスを感じる環境を改善する。
・理学療法
手指による筋肉のマッサージ ホットパックなどによる温罨法
低周波治療による筋肉への電気刺激
ストレッチ
マウスピースの作成
・薬物療法
あごの関節や周りの筋肉の痛みに対して消炎鎮痛剤を処方します。
薬を服用しても改善しない場合がは早めに医療機関を受診してください。
経過
大半は治療や自己管理によって改善します。
顎関節症の症状の改善はおおむね1~3カ月程度です。
顎関節脱臼
顎関節脱臼の症状
- ・口が閉じなくなった
- ・食事ができない
- ・顎がよく外れる
- ・唾液が飲み込めず、よだれが出る
★顎関節脱臼の対応★
外れてご自身で治せない場合はできるだけ早く受診ください。
できるだけ早期に整復し、一定期間固定する必要があります。
顎関節が脱臼すると顔・顎の違和感や痛みなどを訴えますが、要介護高齢者では症状を訴えることができず脱臼に気付くのが遅れることがあります。
長期間経過した脱臼は、整復が困難になります。
顎関節脱臼の原因
過度の開口(あくび、歯科治療、気管内挿管、嘔吐など)、打撲、顎骨骨折、強い力がかかったなどが挙げられます
顎関節脱臼の治療
もっともよく行われるのはヒポクラテス法という整復法です。
頭が動かないように座って頭を後ろにつけてもらい、治療者は患者さんの前に立ちます。
下あごの奥歯の噛む面に親指を置き、親指以外の4指で下あごの縁を支えます。
親指で下アゴを下に押して、そのあと下アゴを後ろに押し込むようにして口を閉じてもらいます。
食事や会話で大きく口を開けることを避け、あくびをするときは手で下あごを支えるようにします。
硬い食べ物を食べるのを避けましょう。
口内炎
口内炎の症状
数mm程度の白っぽいできものが口の中にできます。
歯茎や舌、頬や唇の裏の粘膜などさまざまな部分に起こります。
当たると痛みがあり、刺激の強い食べ物や熱いものがしみたりします。 通常1~2週間程度で治ります。
口内炎の原因
ストレス、栄養不足、やけど、頬や舌を噛んでしまう、矯正器具や入れ歯があたる、菌、ウイルスによる感染、ステロイドや抗菌薬(抗生物質)の長期服用、全身疾患(ベーチェット病、手足口病、ヘルパンギーナなど)、喫煙など
口内炎の対応
痛みが強く生活に支障がある、再発を繰り返す、症状が長引く(2週間以上)場合は受診してください。
口内炎ではなく別の病気の可能性もあります。 軟膏、うがい薬を処方することもできます。
口内炎に似た疾患
- ・口腔がん
- ・白板症
粘膜や舌、歯ぐきに見られる白い病変で、こすっても取れないものです。
悪化して癌化する場合もあります。 - ・紅板症
紅く、表面は平らな病変です。50%が悪性化すると言われています。
口腔乾燥症
口腔乾燥症の症状
口が渇く、ネバネバする、しゃべりにくい、飲み込みにくい、味覚がおかしい、口の中や舌が痛い、ヒリヒリする、汚れやすい、口が臭い、入れ歯を装着しにくい、唇が切れる
唾液には自浄作用、消化作用、抗菌作用、粘膜保護作用など、口の中を守る大切な作用があります。
そのため、唾液の減少によって口の中の衛生状態が悪くなり、虫歯や、歯周病などが発生しやすくなります。
口腔乾燥症の原因
水分の摂取量の不足、糖尿病による多尿や腎不全、シェーグレン症候群(涙の分泌量も減少し、目の乾燥も)、更年期障害などの全身疾患、服用薬の副作用で唾液量の減少(抗ヒスタミン薬や制酸薬、降圧薬や向精神薬)、放射線治療後、口呼吸、加齢によるもの、ストレスなど
口腔乾燥症の対応
原因療法としては、糖尿病などの基礎疾患があればその治療を優先し、薬の副作用であれば薬剤の変更や減量を検討します。
対症療法は、ガムを噛むことやシュガーレスの飴など唾液分泌を促進させるものを摂取する、人工唾液や保湿剤の使用、唾液腺マッサージなどあります。
当院は難病指定医療機関です。
自己負担上限額管理票をお持ちください。
自己負担累積額が自己負担上限月額に達した場合は、その時の指定医療機関が確認し、その月に負担上限月額を超える費用徴収は行われません。
歯ぎしり、食いしばり
マウスピースの作成も可能です。
保険適用です。
ソフトタイプとハードタイプがあります。
スポーツ用マウスピース
保険適用外です。柄をお選びいただけます。
既製品とは異なり、型取りして作成するので全てオーダーメイドになります。
睡眠時無呼吸症候群(OSAS)
医科の診断書があれば、睡眠時に下あごを前に出すためのマウスピースの作成ができます。
歯の外傷
ぶつけた、かけた、ぐらぐらする、歯の位置がずれた、歯が抜けたなど事故があればできるだけ当日早めに来院ください。 抜けた場合は歯の保存液や牛乳などに漬けて乾燥しないようにしてお持ちください。
・歯の打撲
目立った外傷もなく一時的に歯を支える組織に炎症が起きている場合。 安静にしていると数日~2週間程度で治ります。
・亜脱臼
歯が少し抜けかかったもので、歯が動き触ると痛みを訴えます。
歯の根っこの先で神経が切れている可能性があり、のちに神経が死んでしまう可能性があります。
麻酔をして元の位置に戻しで接着剤で隣の歯と固定します。
長期の経過観察が必要になります。
・完全脱臼
歯が歯ぐきから完全に抜けてしまった場合を指します。
再植することで元に戻せる可能性はあります。
麻酔して歯を元の位置に戻し隣の歯と固定します。
早く戻すことが大切なので、すぐに受診してください。
・軟組織の外傷
口の中の柔らかい部分を損傷することを指します。
受傷時には出血がみられますが、圧迫止血や時間経過とともに出血が止ますことがほとんどです。
止まらない場合は麻酔して傷口を縫合します。
舌痛症
舌にあきらかな病変がないのに、ヒリヒリ、ピリピリなどの痛みを訴える疾患です。
貧血に伴う舌の炎症、糖尿病などの全身疾患や薬の服用による口の乾燥、悪い歯並び、詰め物や被せ物の縁が当たるなどさまざまな原因が考えられます。
中高年の女性に多く、何かに熱中にているときには痛みを感じにくいです。
口腔内で心配事があれば治療はもちろん、連携病院に紹介可能です。