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よく見たらなんか歯が大きい気がする・・・
隣の歯とくっついて生えている・・・
など、歯の形が気になったことはありませんか?
このような歯の状態を「癒合歯(ゆごうし)」または「癒着歯(ゆちゃくし)」といいます。
本日はこの「癒合(着)歯」についてお話していきます。

癒合歯とは
癒合歯とは字の通り歯と歯がくっついてしまっている状態で生えていることを指します。
隣同士の歯と歯がくっついて1本の歯のようになってしまったもので、永久歯よりも乳歯に良く見られ、乳歯での発現率は高く4%程度です。癒合歯の原因は未だはっきりと解明されていません。母親のお腹の中にいる胎児の時に乳歯の卵が作られその時にくっついた状態になったと言う説が一般的です。特に下顎の前歯に多く見られます。

この融合は、歯冠(歯の表面部分)のみで起こる場合が癒着歯、歯根(歯の根の部分・歯の神経)まで完全に結合している場合が癒合歯と呼ばれ、融合の程度によって治療方針が異なります。
基本的にはレントゲンを撮って検査してみないと、癒合歯か癒着歯か判別が難しいので検診などではまとめて癒合歯とすることが多いです。
くっつき方による分類
癒合歯
2つの歯胚が象牙質という中の部分でくっついているものをいいます。

癒着歯
2つの歯胚が歯の根っこのセメント質という部分でくっついているものをいいます。

双生歯
もともとは1つだった歯胚が、2つに分かれたものをいいます。

癒合歯は治療するの?
通常、癒合歯自体に特別な治療は必要ありませんが、虫歯のリスクが高まるため定期的な歯科検診と適切なケアが重要です。子どもの癒合歯に施す治療は、基本的にシーラントやフッ素の塗布といった、虫歯を予防するための治療のみです。
癒合している箇所を削って複数の歯に戻したり、抜歯したりすることはほとんどありません。
また、矯正によって治療するかどうかも、基本的にはすべての永久歯が生え揃ってから判断することになります。
ただし、現在の癒合具合や永久歯の萌出状況、顎の成長度などに著しい問題が見られる場合は、早期に矯正治療を実施することも考えられます。
癒合歯のリスクは?
子どもの乳歯が癒合歯である場合、そのまま放置するとさまざまなリスクが高まります。
1つは、次に生えてくる永久歯に悪影響を及ぼすリスクです。
癒合歯がある場合、永久歯の本数が減少したり、大きさが通常よりも小さくなってしまったりする可能性が高くなります。
また、癒合歯があることで、スムーズに乳歯から永久歯へ歯が生え変わらないおそれもあります。
こちらは、永久歯の生え変わり時期に癒合歯がうまく吸収されず、自然に抜けるのが困難になることが理由です。永久歯は、先に生える乳歯の存在を確認してから顎の中で形成されます。
そのため、2本の乳歯が癒合していると「乳歯は1本」とみなされて、永久歯の芽も1本分しか作られず、生え変わる永久歯の本数が少なくなることがあります。
データによると、乳歯に癒合歯がある場合、その後に生えてくる永久歯の数が不足している割合は50%弱という研究報告もあり、将来的に歯の数が正常ではなくなり歯並びや噛み合わせに影響がでる可能性があります。
永久歯が存在するかどうかはレントゲン写真で確認することが出来ますので、癒合歯がある場合は、まずはレントゲンを撮ってもらって永久歯の有無を確認することをお勧めいたします。
その他、子どもの癒合歯におけるリスクとしては、虫歯を発症しやすくなることも挙げられます。
癒合している歯の境目には、通常の歯には見られない溝があります。
形がいびつだったり境目部分が凹んでいて溝になっているため、そこに汚れが溜まりやすく、むし歯になりやすい状態になっています。
癒合歯が存在する場合は、歯ブラシだけではなく、フロスなども上手に活用しながら丁寧にケアをする必要があります。

当院では小児歯科、虫歯治療、予防歯科、矯正歯科も取り扱っておりますので、
お口の中で気になる事がある場合は、お気軽にお問い合わせください(^^)/
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