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Column 虫歯治療
歯医者さんで「虫歯が大きいので神経の治療になります」や「神経を抜かないといけない」などと磐田ことがある人もおおいのではないでしょうか。
この「神経の治療」とは具体的にどんな治療のことなのか、本日はお話していきたいと思います。
神経の治療
歯の神経治療とは、簡単にいうと「歯の神経を抜く治療」のことです。
歯の神経(歯髄組織)まで深く感染した重度の虫歯には、歯の神経治療(根管治療)が必要です。
【神経治療が必要になる進行した虫歯】

「神経を抜くなんて痛そう……」と心配になるでしょうが、安心してください。治療中は麻酔が効いているため、痛みはほぼ感じません。
神経治療の最大のメリットは、自分の歯を残せることです。感染した神経を取り除いて適切な治療を行えば、20年30年先もずっと自分の歯で生活できます。
神経の治療の一般的な手順
麻酔
先にも述べましたが、歯の神経治療では麻酔を行うことが一般的です。まずは表面に麻酔薬を塗布し、その後歯茎に針をさして麻酔薬を投与していきます。
むし歯の治療・詰め物などの除去
歯の神経部分に治療を施すためには、まず歯を削らなければなりません。
むし歯がある場合にはむし歯の治療を行ったり、過去に詰め物をした場合には詰め物を除去したりといったことも行っていきます。
そして歯髄の部分まで歯を削り進めていきます。
歯髄(神経)の抜去
歯を削り歯髄の部分まで到達したら、続いては専用の器具を使用して神経を丁寧に取り除いていきます。
神経と聞くと、一本の細い糸のようなものをイメージする方もいるかもしれませんが、簡単にするりと1本抜き取るわけではありません。
実際には、非常に複雑な形をしているため、残さずに取り除くためには確かな技術が必要です。
無事に神経を抜去できれば、その後は尖端部分を洗浄や消毒がしやすいように整えます。
根管の洗浄・消毒
ここからは、根管の洗浄・消毒を行っていきます。根管治療を行う必要があるような状態まで炎症が進行している場合、内部に膿や細菌が溜まっていることがほとんどです。
感染や炎症を繰り返さないためには、根管の洗浄や消毒が非常に重要です。この洗浄と消毒は1回で終わりではありません。
何度か歯科へ足を運び、洗浄と消毒を何度も繰り返しながら、根管を清潔な状態に整えていきます。
根管の充填
洗浄と消毒を終えた根管には、神経を取り除いた部分の形に合わせて固型の薬剤を詰めていきます。
このとき、すき間が残っていると再び最近感染を起こす可能性があるため、すき間なく薬を詰めることが重要です。
被せ物の土台作成
薬で根管を満たした後は、そのまま被せ物を取り付けるだけでは歯が割れやすくなってしまいます。
そのため、先に被せ物の土台部分を作製し、その上に被せ物を取り付けることが一般的です。
土台を作製して取り付けた後に型取りを行い、後日被せ物を取り付けるというスケジュールになります。
土台のみの状態で過ごす期間がありますので、土台の状態で硬い物を噛んだり歯に負担をかけたりすることは避けたほうが良いでしょう。
被せ物の取り付け
型取りから1~2週間程度で被せ物が完成し、取り付けとなります。噛み合わせに問題がないかを確認して歯の神経治療は完了です。
実際の治療スケジュールは、お口の状態や歯科医院によって異なる場合があります。事前のカウンセリングで治療スケジュールや治療の詳細を確認しておくと安心です。

虫歯治療で神経を抜くメリット
最も大きなメリットは、ご自身の歯を残すことです。
根管治療後は型取りを行い、セラミッククラウンなどの被せ物を装着して噛む機能を修復するため、ご自身の歯を残すことができます。
歯は抜いてしまうと一生元には戻りません。歯を抜くことは簡単ですが、それによって失うものはとても大きいのです。
◎歯の痛みが消える
神経が感染すると、安静にしていてもジンジンと痛むようになります。いわゆる歯痛が辛くて、仕方なく歯医者さんを受診するという方も多いですよね。感染した神経は自然に治ることがないので、歯髄を構成する細胞が死滅するまで痛みが持続します。
歯の神経をきれいに抜き取ることで、歯痛は消失します。抜髄は麻酔を施した状態で行うため、痛みを感じることはありません。
炎症が神経まで達したときの痛みは言葉では言い表せないほど不快な症状で、脈を打つような痛みであったり、熱いものを口に入れた時、飛び上がるような痛みを覚えるなど、神経に炎症を起こしているとこのような痛みに襲われるため、一刻も早くこの痛みから逃れたいと思われるでしょう。
◎虫歯の進行を止められる
歯の神経が虫歯菌によって汚染されている限り、虫歯の進行が止まることはありません。そのまま放置すると歯根までボロボロになって抜歯を余儀なくされます。ですから、神経を抜くことは虫歯の進行を止められるとともに、大切な歯を保存できるというメリットも得られます。
虫歯治療で神経を抜くデメリット
◎歯が脆くなる?
歯の神経は歯の健康を維持する上で重要な役割を果たしている組織です。それを抜いてしまうと、歯が脆くなります。過剰な力が加わっても痛みを感じにくいため、歯冠や歯根の破折も招きやすくなることでしょう。
◎再治療が必要となりやすい
保険診療で抜髄や根管治療を行うと、病変を取り残してしまうことが多くなります。その結果、虫歯が再発するため、再治療が必要となるのです。
神経が汚染される前に治療を受けましょう
神経の治療にはデメリットも伴いますが、基本的には神経を抜かなければ虫歯を完治させることができません。そのため重症化した虫歯では、患者さまの希望で神経を抜かないという方針をとることもほとんどないのです。一部のケースを除いたら、歯の神経が感染した=抜髄(歯の神経を抜く)という流れになることをしっかり理解しておくことが大切です。おそらく、皆さんも歯の神経はできるだけ抜きたくはないかと思いますので、神経が汚染される前に虫歯治療を受けるようにしましょう。
まとめ
神経を取り除く抜髄の処置を受けると、痛みはうそのように治まります。
虫歯だけでなく、歯をぶつけて折ってしまった場合にも神経の治療は行われます。
折れた歯の部分から神経が出ている状態が確認できた場合、細菌感染の恐れが出てきます。根管から細菌が侵入すると歯ぐきの腫れなどを引き起こします。
根管に侵入し、炎症を起こす細菌は虫歯菌だけではありません。
色々な細菌が感染源となり、根管に炎症を引き起こしてしまいます。ご自身の大切な歯を守るためにも神経の治療はとても重要な意味を持つ治療法なのです。
治療回数や治療費が多少増えたとしても、ご自身の歯を残すことができ、長期的な健康を考えた時には優れたものと考えられます。
また、痛みなどを感じなくなるため、異常を自覚できない点は、根管治療終了後の定期メンテナンス(定期的にご来院いただき、歯のクリーニングを行うこと)によって、早期発見、早期診断、早期治療が可能となるため、実のところ簡単に克服できる点でもあります。
歯が脆くなるというのも、定期メンテナンスを含めご自身の歯を大事に扱うことで、幾分カバーできるでしょう。
歯の神経にまで達した虫歯では、原則として神経の治療をしなければなりません。それは患者さまの歯の健康にとってメリットの方が大きいからです。そんな歯の神経を抜く処置についてもっと詳しく知りたいという方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください(^^)/
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