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Column
乳歯や生えてきたばかりの永久歯の溝の部分は、磨き残しが溜まりやすく虫歯になりやすいです。
虫歯になる前に予め溝を埋める予防処置のシーラントについてお話します。
シーラントとは奥歯や前歯の溝をプラスチック樹脂で埋めて、虫歯を予防する方法です。生えたばかりの永臼歯や乳歯は大人の歯に比べると虫歯になりやすいため、子どもに対してこの処置を施します。
とくに奥歯は歯ブラシが届きにくく、虫歯菌が溜まりやすい部分です。シーラントで深い溝を埋めることで虫歯菌の侵入を防ぎ、虫歯を効果的に予防します。

シーラントをするタイミング
シーラントは特に年齢制限はありませんが、4歳〜13歳頃までの子どもに対して行うことが多いです。
年齢によって、シーラント治療を行う歯が以下のように異なります。
・4~5歳:乳臼歯
・6歳:6歳臼歯
・7~13歳:永久歯
また、原則としてシーラントは初期の虫歯と判断された乳歯や生えたての永久歯に対する治療にのみ、健康保険が適用となります。
虫歯ではない健康的な歯や永久歯歯列でのシーラント治療は病気を治す目的としての治療ではなく、予防治療となるため、健康保険が適用されない場合があります。
シーラントの手順
ステップ1:歯面のクリーニング
はじめに、シーラントを入れる歯の表面や溝に付着した汚れを丁寧に落としていきます。歯面に食べかすやプラークが残っていると、シーラントの効果を十分に発揮できません。シーラントをしっかりつけるためにも、非常に重要なステップです。

ステップ2:エッチング剤(酸処理剤)の塗布
歯面や溝が綺麗になったら、シーラントを入れる部分にエッチング剤を塗布します。これは歯とシーラントの接着を高めるために必要な処置です。エッチング剤を塗布したら一定の時間を置いてから水で洗い流し、歯面を乾燥させます。
ステップ3:シーラントを詰める
エッチング剤の処理後、歯面が乾いたらシーラントを溝の部分に流し入れます。その後、特殊な光を照射してシーラントを硬化させます。照射が完了するとシーラントは硬くなり、歯の溝をしっかり覆ってくれます。

エッチング剤の処理後、歯面が乾いたらシーラントを溝の部分に流し入れます。その後、特殊な光を照射してシーラントを硬化させます。照射が完了するとシーラントは硬くなり、歯の溝をしっかり覆ってくれます。シーラント硬化後、噛み合わせの調整や表面の研磨を行うケースもあります。
シーラント治療は歯1本あたり2〜3分程度で終わるため、小さい子どもでも少ない負担で受けられる予防治療です。治療後は食事をしても問題ありません。
シーラントのメリット
虫歯になる可能性を低減できる
シーラントのメリットは、子どもが虫歯になるリスクを抑えられる事です。
生えたばかりの未成熟で溝が深いため汚れが溜まりやすく、虫歯にもなりやすい特徴があります。
また、エナメル質が柔らかいので虫歯の進行が早く適切な手入れをしないと悪化しやすい傾向があります。
シーラントには、奥歯の溝を埋めて汚れが溜まりにくい状態にして虫歯のリスクを減らす役割があります。
歯を削らなくてすむ
シーラントは虫歯を予防できる効果があるため、歯を削らなくてすむ可能性が高くなります。
子どもにとって歯を削る際のキーンとする音は、恐怖を感じる場合も多いのではないでしょうか。シーラントは、小さな子どもでも痛みを感じることなく安心して受けられる虫歯予防法です。
また、歯は一度削ってしまうと脆くなり、虫歯が再発しやすくなります。永久歯は生え変わることがないため、将来に亘って自分の歯を維持するためにも歯を削らないことが大切です。
シーラントのデメリット
絶対に虫歯にならないというわけではない
シーラントやフッ素で歯を強化することはもちろん、しっかりブラッシングをして食生活を整えることも大切です。また、虫歯になりやすい部位は「歯の溝」以外にも「歯と歯の間」「歯と歯茎の境目」などが挙げられます。子どもの歯を守るためには、そういったところもしっかりケアする必要があります。
シーラントが外れることもある
シーラントは半永久的なものです。途中で外れてしまうことや欠けてしまうことがあります。そのままでも問題ないこともありますが、プラークがたまりそうな形態であればやり直していくことも必要です。仕上げ磨き時に確認してみてください。
シーラント後も定期健診が必要
歯医者でもシーラントが欠けていないか、外れていないかを定期的にチェックをしていきます。
また、虫歯が問題ないかのチェックやかみ合わせに影響ないかなども診ていきます。
定期検診の際にフッ素塗布も併せておこなうとより高い虫歯予防効果が期待できるでしょう。
虫歯を予防できるのが大きなメリットですが、シーラントをしたからといって虫歯を完全に防げるわけではありません。
まとめ
シーラントは歯の溝をプラスチック樹脂で埋めることで虫歯を予防できる処置です。
シーラントをしたからといって虫歯を完全に防げるわけではありませんが、虫歯のリスクをグンと下げられます。
初期の虫歯と判断された乳歯や生えたての永久歯に対する治療であれば保険も適用できるため、ぜひシーラントを検討してみてはいかがでしょうか。
虫歯を防ぐためにはシーラントに加えて、毎日の歯磨きやフッ素塗布といったケアも大切です。
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