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歯科医院に定期検診に行くと、「歯石がついていますね」と歯科医師や歯科衛生士に言われたことがある方もいるのではないでしょうか。
歯の磨き残しがあると、やがて歯に歯石が付着します。歯石を放っておくと、歯周病を引き起こし、最悪の場合は歯を失うことになりかねません。自分の歯を維持するためには、こまめな歯石ケアが重要です。
具体的に歯石がついているとどのような悪いことがあるのでしょうか?
歯石とは
歯石とは、プラーク(磨き残し)が石のような硬さになったものを指します。歯磨きがが十分にできていないと、歯の表面に残ったプラークが唾液に含まれるミネラルやリンが沈着して石灰化します。なお、プラークが石灰化して歯石へと変化するまでには、2週間ほどかかります。
ちなみにプラークとは、食べ物などの残りカスのなかで細菌が増殖することでねばねばとした、白いかたまりのことです。食事をしてから8時間ほど経過するとプラークが形成され、1mgのプラークには1億個ほどの細菌が存在するといわれています。
歯石は大きく2種類に分けられ、それぞれ「歯肉縁上歯石」「歯肉縁下歯石」と呼ばれます。
歯肉縁上歯石とは、歯ぐき(歯肉)より上にできる歯石で、比較的軟らかく白っぽい色が特徴です。歯肉縁上歯石の形成には、唾液中のリン酸カルシウムが関わっているとされます。
一方、歯肉縁下歯石とは歯周病が進み、歯と歯ぐきの間にできた深い溝(歯肉溝)のなかに形成される歯石です。
歯肉溝からの浸出液成分を含む歯肉縁下歯石は黒褐色で、高い硬度を持ちます。プラークの段階では歯磨きで取り除けますが、歯石になると歯科医院で専門の器具を用いなければ除去できません。
歯石そのものがむし歯の原因ではないですが、歯石の表面に細菌が増殖することで、虫歯や歯周病を引き起こします。
歯石を予防する方法
歯石予防のためには、原因であるプラークを作らないことが第一です。プラークの予防と対処は、自分でできることと歯科医院でしてもらえることがあります。
自分でできる対処法は、毎日丁寧に歯磨きを続けることです。磨くタイミングは、ご飯を食べたあとや寝る前がよいでしょう。磨くときは歯の表面の汚れだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを利用して歯と歯の間も忘れずに行なってください。また、強い力で磨くと歯ぐきや歯の根元を傷付けるだけでなく、歯ブラシの毛先が広がって正しく磨けなくなるため注意しましょう。
セルフケアに加えて重要なのは、定期的に歯科医院で専門ケアを受けることです。歯科医院では、硬い歯石や歯周ポケットのなかといった、自分で除去できない汚れを取り除いてくれます。
歯科医院で行なう、専用の器具を使用したプロによる歯面清掃のことを、Professional Mechanical Tooth Cleaning(PMTC)と呼びます。PMTCでは、歯ぐきの3mmほど下までの歯石やプラークの除去が可能です。その他、一人ひとりの口の状態に合わせた歯ブラシの選び方や、磨き方の相談もできます。
定期検診を受診しましょう
石とは歯垢が石灰化してかたまった状態を指し、セルフケアではほぼ取れません。長期に渡ってそのままにしておくと、強固に付着した非常に取れにくい歯石となる恐れもあります。さらに、歯石の表面は粗造で細菌の温床となり、歯周病が進行してしまうケースがあります。
歯石程度と思うことなく、定期的に歯医者さんで除去してもらいましょう。
予防歯科