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その他
小さいお子さんで指しゃぶりをしている子は多いのではないでしょうか。
何歳までにやめた方がいいのか、悩まれている方もいらっしゃると思います。
指しゃぶり以外の口腔習癖についても説明していきます。
口腔習癖とは?
口腔習癖(こうくうしゅうへき)とは、日常生活のなかで無意識に行っている、口に関連した習慣的な行動です。
例えば、指しゃぶりや爪咬みなどです。小さいお子さんではよくみられますが、長期間継続すると、歯並びなど口の周囲の形態的・機能的な発達に悪影響を及ぼすことが多いと言われています。
そのため、口腔習癖がみられるれる場合にはそのまま放置せずに、適切に診断し対応する必要があります。
口腔習癖の種類
- 吸指癖(きゅうしへき)
- 口唇癖(こうしんへき)
- 咬爪癖(こうそうへき)
- 異常嚥下癖(いじょうえんげへき)
- 口呼吸
- 態癖(たいへき)
吸指癖 (指しゃぶり)
乳児の頃の指しゃぶりは、母乳を吸う動作と関係した生理的なものと考えられており、母乳を吸う動作の影響で指を吸い始めて習慣化したり、心理的な欲求不満や、精神的な緊張などからするようになります。1~2歳頃に多くみられますが、3歳を過ぎると減少し、5歳ではほとんどなくなります。指しゃぶりをしている指に“吸いダコ”ができます。
指しゃぶりが長期間に及ぶと、上顎前突(出っ歯)や開咬(前歯が噛み合わない)になる可能性が高まります。。4~5歳頃までにやめることができれば影響は少ないですが、それ以降も続く場合は歯並びに悪影響を及ぼすため、対応する必要があります。

口唇癖 (唇をかむ)
上の唇か下の唇を噛んだり吸ったりする癖です。上の唇を吸う癖は上の前歯が引っ込み下の歯が前に出ることがあるので受け口になる可能性があります。下の唇を吸う癖は上の前歯が前に出て下の前歯が引っ込むことによって出っ歯になる可能性があります。

咬爪癖 (爪をかむ)
歯に外側から圧がかかるため、前歯が前方へ傾くことがあります。
特に、上の前歯だけが突出する出っ歯のリスクが高まります。

異常嚥下癖
食べ物を飲み込む(嚥下)時、正常な嚥下では上下の歯が接触し、舌の先は上の前歯の後ろに位置し、舌の表面はうわあご(口蓋:こうがい)に接触した状態で行われます。
これに対して、嚥下時に舌を突出させ、上下の歯の間に舌の先が位置し、上下の歯が接触しないまま行われる状態を異常嚥下癖と言います。異常嚥下癖がある場合は、歯科矯正治療において治療期間が長くなったり、適切に歯並びが矯正されなかったり、後戻りをしてしまう可能性が高くなってしまいます。

口呼吸
口呼吸をしている人は、長時間お口が開いたままになっているため、下顎と舌の位置が常に下がっている状態になります。
そのため、お口の周りの筋肉である口腔周囲筋や顎の成長・発育に悪影響を与えて、上顎の幅が狭くなり上顎狭窄歯列や開咬、上顎前突、交叉咬合の原因になります。
さらに、口が開けっ放しのために口腔内が乾燥して細菌が増えることで、虫歯や歯周病、口臭などのトラブルが起きやすくなります。また、睡眠障害を伴うこともあります。

態癖(日常生活の中で無意識に行う色々な癖)
態癖は、頬杖、横向き寝、うつ伏せ寝、食事の際に左右どちらかで噛む、テレビを見る時の姿勢などがあります。
これらを続けると、針金やゴムの力で歯を動かす歯列矯正よりも強い力が作用し、歯列が乱れて噛み合わせが悪くなることがあります。

最後に
口腔習癖を続けていると、歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼすことがあります。
ご自身やお子様にこのような癖や習慣がみられる場合は、止めた方がいい理由を探し、説明してできるだけ自分自身で止めたいと思えるようになることが大切です。