TOP

コラム・キャンペーンcolumn・campaign

2023.07.03
子どもの発達障害と歯科治療

発達障害には、学習障害(LD)、注意欠如(陥)/多動性障害(ADHD)と自閉性障害(アスペルガー障害、その他の広汎性発達障害を含む)などがあります。

こういった特性を持っているお子さんは、人に身体を触られること、音、光、味やにおいに過敏なことが多いようです。
また、特定のものや行動にこだわる傾向があるため、食べるものが偏ったり、歯みがきをいやがったり、新しい場所になじめないため、むし歯になっても歯科治療が困難になってしまいます。

そのため、できるだけ早くからむし歯がなくても、歯みがきや検診、治療の練習を通じて診療室に慣れておくと、なにか処置が必要になった時のお子さんのストレスを軽くできると考えています。

歯医者さんに行く前に…

子どもの歯医者さんとはどんなところなのかイメージを持ってもらう

発達障害のある子どもの場合、何が起こるのか分からない、何をされるのかが分からないという状況はとても不安になります。
まずは、歯医者さんは怖いところではないことを伝えてあげましょう。好きなキャラクターが歯医者さんに行く話や、歯医者さんは楽しいと伝える絵本を読んであげるのが分かりやすいと思います。また、歯医者さんにはたくさんの道具があるので、どんなものがあるのかを説明することも良い方法です。

歯医者さんに事前に、患者である子どもの障害や特性について伝えておく

子どもが歯医者さんについて知っておくようにする一方で、歯医者さんにも患者となる子どもについて、情報を伝えておきましょう。診察室に入るときだけでなく、予約したときにも話しておくと安心です。どのような方法でコミュニケーションをとると良いのか、どういうことをいやがるのか、どうすると落ち着くのか、保護者がそばにいてできることなども伝えます。

子どもの当日の流れを説明し、見通しを立ててあげる

発達障害のあるお子さんの場合、見通しが立たないことでとても不安になることも多いです。何時ごろにどこに行くのか、何時ごろに終わるのか、ということと同時に、歯医者さんに行ってどんなことをするのか、そうすると歯や口の中がどんな風にきれいになって元気になるのか、ということを分かりやすく伝えてあげましょう。

大切なのは、歯医者さんは怖いところという先入観を保護者自身がもっていると、子どもへの伝え方も変わってきてしまいます。健康のために大切なことをしてくれる場所というイメージに気持ちを切り替えて、説明できるといいですね。

歯科医院での対応

「系統的脱感作法」
診察台に座る、歯のチェック、と少しずつ慣れさせていく方法です。不安や恐怖の原因となる刺激を徐々に上げながら体験していって、最終的には目的とする行動がとれるようになるという行動療法(行動変容法)の1つです。
障害者歯科や小児歯科を専門にしている歯科医院の多くは、これらの技法を上手に取り入れて、歯科治療を受容してもらえるようにトレーニングをしながら治療を進めていきます。

どんなに慣れてもらおうとしても、どうしても治療を受けられない方もいらっしゃいます。そのような場合、治療が困難なことを保護者や支援者にきちんと伝えて、2次医療機関(地域保健センター)や3次医療機関(大学病院など)で受診してもらいます。患児の身体的・精神的負担を考慮して、全身麻酔下での歯科治療を行います。全身麻酔下での治療の方が安全に、かつ少ない回数で治療ができることがあります。

障害者歯科では、さまざまな配慮があります

実際に障害者歯科で行われる検診や治療は、一般的な小児歯科とはどんなことが違うのでしょうか。一番特徴的なこととしては、障害についての専門的な知識をもち、理解がある人が治療してくれるということです。患者さんの障害について保護者からの情報を聞き、どう接したらいいかの情報をもって、相互理解を基本にして治療にあたってくれます。

たとえば知的な遅れがある場合には、ことばで説明するだけでなく、絵や写真、絵カードなどを使って説明をしたり、予想がつかないことを嫌う場合には、治療に使う器具や部屋についての説明を丁寧にしてくれたりします。
感覚過敏のある子どもで顔に触られること自体をいやがる場合には、いきなり治療を始めるのではなく、少しずつ体に触れるようにして慣れていくような方法(脱感作)をとるといった、ノウハウも障害者歯科にはあります。また、イヤーマフの準備があったり、患者さんの敏感さがどこにあるのかを、保護者からも聞き取ったりして治療に進みます。
いつもと異なる状況や周囲の大きな音などが苦手な子どもには、個室を使用するなどいつも同じ環境になるような配慮があったり、歯科衛生士も同じ人が立ち会うなど、できる限る同じ環境での治療ができるような配慮があります。
治療のときの姿勢に制限がある場合には、補助器具を使うことのほか、暴れてしまうなどで十分な協力が得られない場合には鎮静剤などを使用することや、場合によっては全身麻酔で治療を行うこともあります。

治療だけでなく、患者さんに合った予防や食生活の指導も

歯と口の中の健康ケアは、悪いところができてしまったら取り除く、ということではなく、普段の生活の中で虫歯や歯周病にならないようにケアしていくために、家庭での予防が大切です。ただ、発達障害がある場合などには、こだわりが強いことや、食習慣の問題から、家庭での対策をどうしていいかが分からないこともあるでしょう。
障害者歯科では、治療をする際に必要な障害についての知識や情報だけでなく、普段の生活についても障害のある患者さんに特化した口腔ケアの指導もします。それは歯磨き以外にも、虫歯になりにくい食べ物の形状、食べさせ方、食事のリズムについて、食べるときの姿勢についてなど、さまざまな視点から歯の健康を守る日常ケアについてと多岐にわたります。
こうしてケアをしていても、家族だけではケアしきれない部分、みがききれない歯のクリーニングや口腔のケアを行うのが障害者歯科です。

地域の歯科で治療が受けられないからと言って、それが悪いことやダメな事では決してないという事を忘れないでください。嫌だと言って泣き叫ぶのも、暴れて逃げ出そうとするのも、自分を必死に守っているからなのです。
子どもの精神的・身体的な成長の仕方は、一人ひとり違います。今日できても次の来院時に同じようにできるとも限りませんし、逆にずっと泣いてばかりだった子どもが、ふとしたことをきっかけに最後まで泣かずに治療できたりします。

子どもの可能性は無限大です。目に見える成長はゆっくりでも、確実に少しずつ成長しています。大人が期待する速度とは異なることもありますが、温かく見守ることで成長するのです。
じっとできないから、言っても分からないからと諦めるのではなく、気になることや不安に感じていることなどありましたら、お気軽にご相談ください。

小児歯科

当院の雰囲気など知りたい方は、インスタグラムものぞいてみてください(^^♪
保育士常駐、キッズスペースも完備しています。

この投稿をInstagramで見る

まりこ歯科クリニック 阪急三国駅前(@marikodentalclinic)がシェアした投稿

一覧に戻る

アクセスaccess

まりこ歯科クリニック        
〒532-0033 大阪府大阪市淀川区
新高3丁目6-17-2F
三国駅前クリニックモール
アクセス
診療時間※予約優先制
診療時間
休診日:木・日・祝
※受付は診療開始時間~終了15分前までとなります。

阪急三国駅から徒歩3分、
国道176号線沿い
にあり
通いやすい立地です。
1階がKOHYO阪急三国店です。