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Column
お口の中全体が写るレントゲン写真があります。
以前 レントゲンの種類 という記事でご紹介したパノラマレントゲンというものです。
- 虫歯の有無
- 被せ物の種類（部分的な銀歯や差し歯）
- 神経を抜いた歯
- 親知らずの有無
- 親知らずが歯ぐきの中に埋まっている場所・方向
- 下顎にある太い神経管の場所
- 歯周病で顎の骨が溶けているかどうか
- インプラントの状態
そのレントゲンを見るだけで上記のようなことが分かるため、歯科では必要不可欠なレントゲン写真です。
今日は実際のレントゲン写真を見ていただこうと思います。
これは実際のレントゲン写真です。左右反転して写るため、向かい合っているように想像していただくと分かりやすいかと思います。
Rが右側、Lが左側です。
歯ぐきは軟組織のため写りません。顎の骨に歯が一本ずつ刺さっているように生えています。
色々な形の歯が写っていますが
一重線→前歯（真ん中から数えて３番目までで、左右で計６本）
二重線→小臼歯（４，５番目）
波線→大臼歯（６，７番目とその後に生えている親知らず）
と、大きく３つに分けることが出来ます。
先天的に欠損している場合を除き、永久歯は合計２８本（７本×上下左右４カ所）あります。親知らずを含めると３２本です。
このレントゲンは左側に白いところがあります。
これは以前歯科で虫歯の処置を行い、金属を歯に詰めているところです。
部分的な銀歯（インレー）や、全部が銀色の被せ物（クラウン）が真っ白く写ります。
そして波線の部分は親知らずです。
最初に載せたレントゲンとは歯の向きが違うのがお分かりいただけますでしょうか？
このように横に向いて生えてきている親知らずは真っすぐ生える可能性が少なく、一生顎の骨に埋まったままか、歯の上の部分が少し出てくるかの２パターンが多いです。
この親知らずは、生えてきたとしてもブラッシングが難しく、虫歯になってしまったり歯ぐきが腫れてしまいます。
虫歯
このレントゲン写真の赤く丸がついているところは虫歯があります。
虫歯になると歯が溶けて正常な歯より薄くなるため、レントゲン上では黒く透けたように写ります。
昔に治療した被せ物の下で虫歯になっていると、目で見ても見えない場合があるため、レントゲンを撮影して虫歯を見つけます。
虫歯は、表面は少し黒くなっているだけで穴も小さいけれど、実は歯の中で深く大きく広がっている場合があります。
虫歯の大きさによって治療の内容が変わるため患者様にお伝えする治療計画も変わりますし、深くまで進行していると麻酔をしなければ痛みが伴うので、虫歯の深さを知るためにも撮影することが多いです。
歯周病
このレントゲンは歯周病が進行したものです。
波線を引いている部分は、歯を支えている顎の骨が溶けてしまっている状態が顕著にみられます。
歯の根元が顎の骨にかろうじて刺さっている状態なのでなんとか保持出来ていますが、実際はグラグラ揺れていて物が噛めません。
ここまで歯周病が進行してしまうと、顎の骨が溶けてしまっているためどうしようも無く、抜かなければならない歯が出てきてしまいます。
しかし、この状態でも凄く痛むわけではなく、歯が揺れていて少し痛いような気がする…とおっしゃる方もいます。レントゲンを撮影して病状をお伝えして初めて、「自分はこんなに歯周病が進んでいたの！」と驚かれるのです。
レントゲンを撮影して顎の骨の状態を把握することによって、”残せる歯なのか”または”抜かなければならない歯なのか”を診断し、歯周病の治療を進めますので、虫歯治療だけではなく歯周病治療にもレントゲン撮影は必要です。
私たち歯科医院のスタッフは毎日色々な口腔内のレントゲンを見ていますが、患者様はご覧になる機会が少ないと思います。
当院では、より正確に歯の治療を行うために、撮影したレントゲン写真をチェアーの前の画面に表示し、口腔内とレントゲン写真を照らし合わせながら治療を行っています。
写真を見て何か疑問に思うことがあれば、遠慮なく聞いてくださいね！
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