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毎年、11月~3月頃になるとインフルエンザの流行シーズンを迎えます。
インフルエンザは、小児や高齢者、病気とその治療で免疫が低下した患者さんにとって、生命にかかわる重篤な感染症です。
ご自身がかからないようにすることはもちろん、ご家族や周囲の人々にうつさないようにするためにも、しっかり予防していきましょう。
近年、インフルエンザの予防対策として歯みがきや口腔ケアに努めることが重要だと言われいます。
インフルエンザ感染経路
くしゃみや咳にのってインフルエンザウイルスが周囲に飛び散り、その飛沫を吸ってしまうなどして体の中に入って感染する「飛沫感染」とウィルスが手などについた状態で、粘膜(目、口など)を触ってしまい、粘膜からウィルスが体内に侵入してしまう「接触感染」があります。

インフルエンザウイルスは鼻からのどにかけての粘膜にくっつき、細胞に侵入していきます。
通常はタンパク質で覆われているので、インフルエンザウイルスはなかなかくっつくことができませんが、口腔内が不衛生な場合だと口腔内の細菌が出す酵素のはたらきによってインフルエンザに感染しやすくなってしまいます。
口腔ケアで感染予防
歯みがきや口腔ケアをおろそかにしていると、虫歯や歯周病の原因となる菌が増殖して細菌の塊であるプラーク(歯垢)がつくられます。インフルエンザは、プラーク中の口腔内細菌が出す(ノイラミニダーゼやプロテアーゼ)という酵素が関係していると言われており、口腔ケアをしていない不衛生なお口は、インフルエンザに感染しやすくなることがわかっています。
ウイルスの増殖を防ぐためには、口腔内細菌を減らすこと、つまり、口腔内を清潔に保つ必要があります。
舌の表面に付着する白っぽい汚れ(舌苔)には、多くの細菌が含まれていますので、歯磨きやフロス以外に舌専用のブラシや柔らかい歯ブラシで、舌もやさしく掃除しましょう。
感染予防のための口腔ケアにはご自身で行うセルフケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアがあります。


お口の中には、異物を捕まえて体内の侵入を防いでくれるIgAという抗体があります。
お口の中が不潔になると、IgA抗体による防御機構の働きまで弱くなり、インフルエンザウイルスなどの感染症にますますかかりやすくなってしまいます。
口腔内を清潔に保ち、悪影響になる細菌の数や有害物質をなるべく減らすことがインフルエンザ予防の一つと言えます。
まとめ
お口を清潔に保つことは、インフルエンザだけでなく、他の感染症の予防にも重要です。
とくに高齢者や免疫力が低下している人にとって、口腔ケアはインフルエンザの予防において欠かせない要素です。
歯みがきやフロス、舌磨きなどのセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアを両立させて感染症を防いでいきましょう!!
予防歯科

