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健康な歯でも生理的動揺といって、歯を左右に揺らすと0.2mmほどは自然な揺れはあるものですが、それ以上揺れがある場合は、歯に何らかの問題が起きています。
今回は、歯が揺れる原因や治療方法について解説します。
歯が動揺する原因
➊ 歯周病
歯が揺れる原因の多くは、歯周病によるものです。
歯周病とは、歯を支えている骨が歯周病菌によって溶かされてしまう病気です。
歯を失う原因の1位は歯周病と言われています。
プラークと呼ばれる細菌の塊には、たくさんの細菌がいると言われており、この細菌が歯を支えている骨を溶かしてしまうのです。骨が溶かされてしまうことによって歯の支えがなくなり歯が揺れていき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。歯周病の怖いところは、骨が溶けているにもかかわらず自覚症状がほとんどなく、また溶けてしまった骨は元に戻らないという2つが挙げられます。

➋ 歯ぎしりや外傷
歯ぎしりや食いしばりは、体重と同じくらいの力がかかると言われています。
また、スポーツなどの怪我で歯を強くぶつけてしまった場合など、衝撃や強い力は歯を支えている歯周組織にダメージを与えてしまい、歯が揺れる場合があります。

➌ 破折
歯の根が割れてしまう歯根破折によっても歯の揺れが起こります。
歯根が破折は、主に神経がない歯に強い力がかかった場合に多く見られます。

➍ 根尖病巣
根尖病巣とは、歯の根の先に膿が溜まり炎症を起こしたものです。
歯が浮いたような感じや、放っておくと炎症によって顎の骨が溶かされてしまい、歯の揺れが起こります。

動揺する歯の治療方法
➊ 歯周病
歯周病によって溶かされてしまった骨は、元の骨の状態に復活しません。
そのため重度の歯周病の場合は、これ以上歯周病を進行させないようにする(骨を溶かさないようにする)治療がメインとなります。
揺れた歯はある程度元に戻すことはできますが、完全に改善するのは難しい場合がほとんどです。歯周病による歯の揺れを改善するには、まず歯石除去やプラークコントロールによって歯周組織の炎症を取り除く必要があります。また、必要であれば咬み合わせの調整や歯の固定を行う場合もあります。
➋ 歯ぎしり
歯ぎしりをすることで歯の揺れで歯周病を進行させたり、他にも歯のすり減りや最悪の場合、歯が割れてしまうこともあります。特に就寝時の歯ぎしりや食いしばりは改善することが難しいため、マウスピースを作ることをおすすめします。
日中にも無意識に食いしばりをしないように意識しましょう。
➌ 外傷
軽度の外傷の場合は、隣の歯と固定する場合もあります。
部活やスポーツをしている方には、予防のためにスポーツ用のマウスピースの使用を検討します。
➍ 破折
歯冠破折(歯の上の部分)が割れてしまった場合は、被せ物の治療をします。
歯根破折(歯の根の部分)が割れてしまった場合は、抜歯になる場合がほとんどです。
痛みがない場合は、抜歯しないこともあります。
➎ 根尖病巣
軽度な場合は、根管治療(歯の神経治療)によって治る場合があります。
根尖病巣による症状には個人差があり痛みがない場合もあります。
歯が揺れる原因はさまざまですが、主に細菌によるものと力によるものの2つに大別されます。
歯の揺れは軽度のうちに対処することが大切ですが、軽度の場合は自覚症状がほとんどありません。
歯をぶつけてしまったけど痛みがないといった場合も、時間の経過とともに神経が死んでしまうなど何らかの問題が起きる可能性もあります。歯ぎしりや食いしばりの習慣がある、しばらく歯周病の検査をしていないという方も、揺れている歯があるかもしれません。
早めに歯科医院を受診しましょう🎈
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