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Column
虫歯予防=フッ素(フッ化ナトリウム)が有効という事はご存じの方も多いのではないでしょうか?
今回は歯磨き粉についてのお話しです。
フッ素が虫歯予防に効果的な理由は大きく分けて3つあります。
- 歯の質を強くして酸に溶けにくい歯にする、歯質強化
- 歯から溶け出したカルシウムやリンの再沈着を促進する、再石灰化の促進
- 虫歯菌の活動を抑えて酸が作られるのを抑制する、細菌の酸生産抑制
市販・歯科専売を問わず多くの歯磨き粉にフッ素が含まれていますが、その中でもフッ素濃度が高いものの使用が望ましいです。
フッ素の濃度は ppm(ピーピーエム)で表され、現在日本で認められている薬用歯磨き剤におけるフッ化物の配合量は上限が1500ppmと決まっています。
2017年に厚生労働省が認可するまでは上限が1000ppmだったため、市販のものは未だに950ppmの歯磨き粉が多く、当院ではより濃度が高い1450ppmの歯磨き粉を販売しています。
上で紹介した歯磨き粉は大人用(6歳以上)のブラッシング時に使用する歯磨き粉です。
6歳未満の子どもには誤飲の可能性もあるため、フッ素濃度1,000ppmを超える歯磨き粉は使用しないようにしましょう。
毎日使用する歯磨き粉は、2歳までは500ppm以下、6歳未満は1000ppm以下が望ましいとされています。もしもご家庭でお子さんが誤って多めに飲み込んでしまったとしても危険のないよう含有濃度が薄く、そのため毎日使用することで効果があるように作られているのです。
フッ素はWHO(世界保健機構)で安全性が認められている成分です。
さまざまな化合物の形で、フッ素はイワシやエビ、牛肉、じゃがいも、海藻類など、他にもさまざまな食べ物にも含まれていて、日常生活の中でも自然に摂取している成分で多くの食品や飲料にも含まれるミネラル成分ですから、身体に害を及ぼすような成分ではありません。
身体に害の無い食物やお薬でも、適正な量を越えれば身体に何らかの支障をきたす場合があります。フッ素も同じで、一度に過剰な量を摂取してしまうと、嘔吐や腹痛などを起こす可能性があるといわれたり、高濃度のフッ素を長期間継続していたことで斑状歯や骨硬化症を起こした例があり、これらが「身体に有害なのでは?」と誤った認識につながっている理由のひとつといえます。
フッ素で急性中毒を招く可能性として、体重1㎏あたり2㎎のフッ素量を目安に計算します。たとえば体重が10㎏の赤ちゃん(1歳児くらい)の場合で20㎎摂取すると中毒症状を起こすかもしれないという数値です。市販のフッ素配合の商品でフッ素含有量が高めな洗口剤で1本の中に1.6ml含有だったとします。この数値を見るとお解りのように、もしも新品を1本誤飲してしまったとしても中毒症状に至るまでには程遠い数字です。歯科医院で塗布する高濃度のフッ素は、3~4カ月おきに1度しか塗布しませんし、ホームケア用は一度に低濃度のものしか使用しませんので、フッ素中毒の心配はいりません。とはいえ、多量に飲み込んでよいものではありませんので、お子さんの手の届かない場所に保管するようにしましょう。
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