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風邪を引いたり、花粉症による副鼻腔炎になると歯も痛いように感じてしまう方も多いのではないでしょうか。副鼻腔は4つの空洞で上顎と頬、鼻に囲まれています。副鼻腔に炎症が起こることを「副鼻腔炎」と呼ばれます。

実は副鼻腔は上顎の歯に近く、副鼻腔炎になると上顎の奥歯が痛くなることが多いのです。虫歯と思って歯医者に行ったら副鼻腔炎が原因だったなんてことも多いのです。今回は副鼻腔炎によって起こる歯の痛みの症状と虫歯との違いについてお伝えします。
副鼻腔炎によっておこる歯の痛みの症状
・何もしなくても出る強い痛み
副鼻腔炎によって、根の先や神経を圧迫したりして激痛が出ることがあります。副鼻腔炎が改善されれば治ることが多いのですが、痛みが強いために虫歯の痛みと間違われることもあります。
・噛んだ時に出る痛み
副鼻腔炎によって歯の周りにある歯根膜という器官に炎症が広がり。噛んだ時に強い痛みを感じます。歯根膜は何かを噛んだ時に硬い。柔らかいなどを判断する器官です。
・歯が浮いた感じがする
副鼻腔炎によって根の先に圧力が加わり歯が押し出されるように浮いた感じがします。噛み合わせなどの調整はせず、副鼻腔炎の治療をすることが必要です。
・上顎の奥の歯が痛い
副鼻腔炎になると上顎の億全体が痛くなることがあります。上顎の奥歯の根は副鼻腔に入り込んでいることが多く、副鼻腔になると炎症が根の先から伝わり、上顎の奥歯が痛くなります。
・1本の歯ではなく2.3本の歯が痛む
副鼻腔炎になると虫歯のように1本の歯ではなく、2.3本の歯に痛みが出ます。虫歯が原因の場合、1本の歯に痛みやしみる症状が出ます。しかし、副鼻腔炎が原因の場合は副鼻腔に根が接している歯に痛みがでるため、2.3本の歯に症状が出ます。
・左右どちらかの歯に痛みが出ることが多い
副鼻腔炎は左右両方に起こりますが、歯の痛みは急性化した左右どちらかに出ることが多いです。稀に両方同時に痛みが出ることもあります。
・神経がある歯に痛みが出ることが多い
副鼻腔炎によって起こる歯痛は神経がない歯よりも、神経がある歯に多くおきます。副鼻腔炎の炎症が根の先から歯の中に刺激を与え、歯痛が出ます。普通にしていても痛い症状は神経のある歯に起きやすく、噛んだ時の痛みは神経の有る無しに関わらず起こります。
・花粉症による副鼻腔炎でも歯の痛みが出る
副鼻腔炎は慢性のものや急性のもの、花粉症などが原因のものなどがあります。春の時期になると花粉症による副鼻腔炎が増え、それに伴い歯痛が出る人も増えます。
耳鼻科では副鼻腔炎は抗生物質(薬)による治療が第一選択されることが多いようです。抗生物質の投薬を受けることにより、副鼻腔内の細菌が死滅し治癒します。
口腔内に原因がある上顎洞炎を歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)といいます。
実際のところ、上顎洞は耳鼻科の領域でもあり、歯科医院での取り扱いがとても難しい部位になります。また多くの患者様は、歯の痛みがあると感じたら歯医者を受診されると思います。しかし、上顎洞炎の症状が出た場合なかなか原因がわからず耳鼻科と歯医者の両方にかからなくてはならないケースも多くあります。

歯性上顎洞炎の多くは、上顎に生えている歯の根が上顎洞と近接している場合であり、かつ神経の治療を過去にしているなど、神経がすでに失活(死んでしまっている)している場合によく見受けられます。
その場合、感染が根の先から上顎洞へ波及し、上顎洞の炎症へとつながっていることが多いです。
しかし歯から感染を起こしている歯性上顎洞炎の場合は、歯を治療しない限り、歯やお口の中から再び細菌が入り感染してしまうので治癒することはありません。しばらくすると同じような症状が再発します。
副鼻腔内は直接、見ることができませんので診断は難しく、また耳鼻科では歯との関係の診断は難しく、原因がわからず難治性の副鼻腔炎(蓄膿)となってしまう場合もあります。もし耳鼻科医院での治療後も完治せず症状が続いた場合、歯の調子も悪く、左右どちらかだけ痛みが出る場合は、歯科の受診も考えてみてくださいね。
虫歯治療