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Column
新学期も始まり、新しい環境にも慣れてきた頃ではないでしょうか。
学校が始まると、まず行われるのが健康診断ですね。その中でも、歯科検診では何を見ているのでしょうか。
初めに、学校の歯科検診では、環境が整っていないことが多く、細かい診断をつけるのは難しい場合が多いです。
空き教室等を使って、立位または座位の体勢で診察することがほとんどで、ライトも光の弱い簡易的なものが多いのが現状です。
そんな中で歯医者さんは何を見ているのでしょうか。
検診でチェックされているもの
1. 虫歯の有無
今お子さんを育てている方の子供時代にも、もちろんあったと思いますが、虫歯の状態のチェックです。学校によって記載方法がちがうのですが、乳歯、永久歯にわけて、治療の必要な虫歯の数が記入してあることが多いようです。
2. 歯肉の状態
最近では、子供の歯肉炎の有無もチェックされています。
大人の歯槽膿漏のような重症なものはまずありませんが、歯ブラシがゆきとどかない状態が長く続いている場合が多い様です。また、次にのべるような歯並びのでこぼこが原因で上手に磨くことができずにいることもあるようです。
3. 歯並びの状態
日本人の歯並びは次第に悪くなっているのではないかとマスコミでも取り上げられることが多くなってきたように思います。学校検診でも、歯並びの状態のチェックが行われています。
最近増えていると言われているのは、歯並びの凸凹ですが、これ以外に、下顎がでている反対咬合(はんたいこうごう)、下顎前突(かがくぜんとつ)、いわゆる「出っ歯」の、上顎前突(じょうがくぜんとつ)、上下の歯が噛み合っていない開咬(かいこう)などがあります。
4. 生え変わりの時期の乳歯
生え変わりの時期がきている乳歯が要注意乳歯などとチェックされていることがあります。大人の歯が生えてもきちんと抜けていない時などは歯科で診てもらうといいでしょう。
検診の用紙をよく見てから、かかりつけの歯医者さんでご相談ください。
何で学校で検診するの?
健康診断はなぜ行うのでしょう。 それは病気を気にせず、勉強やスポーツなど学校生活が明るく元気に過ごせるように健康状態をチェックするために行います。もち論、もっとより良い健康な生活を送れるようにするためには、どうすれば良いかも、併せてみます。
歯科検診では大きく分けて二つの理由があると思います。
一つは、虫歯の有無などをある程度チェックすることで、早期治療に結び付けること。また、放置されている大きな虫歯等が見のがされることはまずありませんので、早期発見ではありませんが、それ以上の進行を食い止めることはできると思います。
もう一つの意義としては、学校、市町村、または国単位での検診結果を集計することで、現在の子どもたちがどのような虫歯の状態に有るかを把握し、これからの行政の対応を決める資料になるのでしょう。
検診に引っかかったら
歯科の場合、早く見つけて治すことでそれ以上の進行を止められる場合が多く見られます。進行してしまった虫歯、「神経」に届いているようなもの、さらに進んで歯茎が化膿してしまったような場合、治療の期間も長くかかります。中には抜かなければならないことも有ります。もう少し早く来てくれていればと、内心思うこともあります。
一方では、小さな虫歯、虫歯になりはじめたばかりの時には、歯科医師や歯科衛生士の指導の元に丁寧な管理をすることで、削ったりせずにそのままの状態を維持できる事もあります。最近コマーシャルなどでも聞く、再石灰化を期待すると言う事です。
もし検診で引っかかったら、早めに歯科医院で診察を受けることが望ましいでしょう。
学校の歯科検診は義務なの?
1歳半児、3歳児の健診は市町村の義務、小学生から高校生の歯科健診は学校の義務です。
大学生以降になると自分で歯科健診を受けに行かなければならなくなるため、受診率が極端に低下し、歯の痛みなどの症状が出なければ歯医者さんでを受診をしないという人が多い傾向にあります。
大人の歯科健診は義務ではなく、日本歯科医師会の2020年の調査によれば、日本で歯科に通っている人は約44%(治療中10%、歯の定期チェックをうけている人34%)しかいません。
せっかく学校で検診を受けているので、大人になっても定期健診でお口の中を管理していけたらいいですね。
学校の検診で引っかかった!お口の中で気になることがある…などありましたらお気軽にご相談ください(^^)/
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