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Column
皆さんは歯を抜いたことがありますか?
今回は、虫歯や歯周病、親知らずなど、歯を抜くことになった時にどんなことに気を付ければいいのかお話していきたいと思います。
歯を抜く前の事前準備
まずは歯を抜くことが決まってから当日をむかえるまでの間に準備しておきたいことをご紹介します。
服用している薬は必ず事前申告する
現在服用している薬がある場合は歯医者さんの問診票に必ず記入し、お薬手帳も歯医者さんに持参するようにしましょう。
血液サラサラのお薬を飲んでいる方は出血がとまりにくいため、抜歯をする際にもしっかり止血をする必要があります。あらかじめ担当医の先生に伝えておくようにしましょう。
ビスフォスフォネート製剤(BP剤)といった骨粗しょう症のお薬を飲んでいると、抜歯のときにできた傷が原因でアゴの骨が壊死してしまう副作用があらわれる可能性があります。場合によっては休薬をお願いすることもあります。
その際、休薬のタイミングを自己判断で決めるのは大変危険です。通っている病院の担当医の先生に相談して休薬をおこなうようにしましょう。
歯科治療で気分が悪くなったことがある方も事前に相談を
歯医者さんの治療を受けていて気分が悪くなったことがある、麻酔を使って気を失ったことがある…そういった経験が一度でもある方はあらかじめそのことを歯医者の先生に伝えておくようにしましょう。治療の際、その点に気を配って抜歯がおこなわれます。
また、高血圧の方もその旨を事前に伝えておく必要があります。高血圧の方は数値の高さによっては、血圧を測りながら抜歯をおこないます。抜歯当日は朝に自宅で測った血圧の数値も先生に伝えるようにしてください。
抜歯予約日にも注意が必要!
抜歯の予約日にも出来るだけ調整した方が良い日がいくつかあります。
・翌日が歯医者さんの休診日(翌日急に痛みがでたときに対応してもらうことができないため)
・翌日に大切な用事をひかえている(翌日まで痛み・腫れがでることもあるため)
・週の終わり(体に疲れがたまっているため)
などの日程です。また、女性の場合は生理日は出血しやすく、貧血をおこす可能性があるためできるだけさけましょう。
オススメの予約日は疲れがたまっていない週のはじまり、時間帯は午前中です。
前日の夜はしっかりと睡眠をとりましょう
睡眠がじゅうぶんとれていない状態で局所麻酔の注射をすると、人によってはショック状態になることがあります。前日の夜は早めに寝るようにし、お酒などもできるだけ量をひかえましょう。万全の体調で臨むことで、抜歯当日も体調をくずすことなく治療を受けることができます。
抜歯当日は「リラックスした状態」で受けることが大切
当日はとにかく緊張しすぎずにリラックスして臨むことが大切です。この日はできるだけ他の予定を入れずに歯医者さんでの抜歯に専念できるようにしておきましょう。
まずは当日の体調をカクニン
まずは朝起きた時点の体調を確認しましょう。風邪っぽい、貧血っぽいように感じるときは念のため歯医者さんに連絡し、担当医の先生と相談して抜歯治療を受けるかどうか決めましょう。「せっかく予約をとったから…」と無理して抜歯治療を受けるのは絶対によくありません。
服装は体を締めつけないラクな恰好で
リラックスした状態で抜歯に臨むためにも服装は体を締めつけないラクなものを選びましょう。
食事は2~4時間前にすませておく
食事は消化の良いものを治療の2~4時間前にすませるようにしましょう。歯を抜いたあとは麻酔のしびれが2~3時間残るため、しびれが消えてからの飲食をすすめられます。何も食べていない空腹の状態で抜歯をしてしまうと、抜歯後もしばらく食事をすることができないので注意が必要です。
食事後はいつも通りに歯を磨き、清潔な状態のお口で歯医者さんに行きましょう。
交通手段はできれば車ではなく公共機関を
当日の交通手段はできるだけ車などではなく、電車やバス、タクシーを選ぶことをオススメします。抜歯後は緊張状態がとけてリラックスすることで気が緩みやすく、人によっては眠気を感じることがあります。また、痛みや出血が気になって運転に集中できないこともあります。安全に行き帰りできる方法を選びましょう。
抜歯治療を受ける前にトイレをすませておく
抜歯は治療が始まって終わるまでに場合によっては1時間前後かかる場合があります。抜歯最中はもちろん起き上がってトイレに行くことはできません。あらかじめトイレをすませておいて、落ち着いた状態で治療を受けられるようにしておきましょう。
歯を抜いた後は、注意事項をしっかり守りましょう
歯を抜いたあとにも気をつけたいポイントがあります。「やっと終わった…」と気を緩めて普段通りの生活に戻してはいけません。抜歯後の過ごし方によっては傷の治りを遅くしてしまうこともあるのです。
ガーゼはしっかり30分噛む
歯を抜いたときに出血が多かった場合は止血用ガーゼを噛むようになっています。このガーゼは先生に指示された通りの時間(だいたいは30分ほど)しっかり噛んで傷口を圧迫して止血するようにしましょう。
ブクブクうがいは禁止
歯を抜いたあとの穴には血が固まってかさぶたができはじめています。このかさぶたはとれやすいため、ブクブクうがいで刺激を与えたり指や舌でさわってしまうとはがれてしまいます。
その結果、キズの治りが遅くなるだけではなく骨が露出してしまい強い痛みを生むこともあります。うがいの際には、水を口にふくんで軽くすすぐ程度にしましょう。
鎮痛剤は早めに飲む
抜歯後は歯医者さんで鎮痛剤が処方されますが、痛みが出てから薬を飲んでもなかなか効き目がでないということもあります。麻酔が切れたころ「そろそろ痛みがでそうかな」と思った時点で早めに鎮痛剤は飲んでおくとよいでしょう。
食事は麻酔が切れてから
麻酔のしびれは人によって個人差はありますが、だいたい2~3時間は残ります。麻酔が聞いている状態のお口は感覚がにぶっています。熱いお茶を熱いと認識しづらくそのまま飲んでヤケドしてしまったり、食事の際に食べ物と一緒にほっぺの内側も噛んでしまいキズつけてしまうことがあります。食事はしびれがとれてからするようにしましょう。
当日は辛いものや酸っぱいものなどの刺激物は傷の治りを遅くする可能性があるので、控えた方が良いでしょう。
歯磨きは注意しながら
歯を抜いた後はかさぶたのようになって治癒していきます。
傷口に歯ブラシを当てないようにしましょう。
しかし抜いたところ以外の歯はしっかり磨いてあげてください。歯間ブラシやフロスも使用してくださいね。うがいは優しく弱い目にしましょう。
当日はお酒・タバコ・運動・長風呂はひかえて
これらは体の血行をよくするため出血がしやすくなってしまいます。お酒・タバコ・運動はできれば2~3日は我慢していただき、当日のお風呂は軽くシャワー程度ですませるようにしてください。
まとめ
歯を抜くのはとても不安で勇気のいることですよね。
抜く前も抜いた後も、ポイントを押さえていただくことで、少しでも治りが早くなることが多いです。上記に述べたことに注意していただき、精神的にも体力的にも無理なく過ごしていただけたらと思います。
当院では抜歯専門の医師も月に1.2回勤務しており、より安心して歯を抜いていただけると思います。ご不安なことや、気になることがあればお気軽にご相談ください(^^)/
口腔外科