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Column
ふとした時に自分や他人の口の臭いが気になることはありませんか?
マスクを外す機会が多くなった今、口臭の相談で歯科医院に来院する方が増えています。
口臭とは
誰でも気になる口のイヤなニオイ。じつは、口臭のレベルは時間帯によって変化するのをご存じですか?なかでも一番臭いのが朝の起床時。なぜかというと、寝ているときに口内細菌が増殖してしまうためです。
日中は、食事をすることで唾液が出るので、口の中の細菌は洗い流されます。また、歯みがきをすれば、さらに細菌はいなくなります。その後、細菌は増えていくものの、食事をとったり歯をみがいたりすることで、日中は口臭が気にならなくなることが多いです。
口臭が強くないのに口臭を気にしすぎる人もいますが、口と鼻はつながっているため鼻は常ににおいにさらされていて、慣れが生じて実際に口臭があるのに自分では気づかない場合もあるのです。口臭が気になる人は、歯科医院で相談することをおすすめします。
口臭の原因
口臭の原因は、大きく分けて2つあります。
病的口臭
内臓など体に原因がある場合で、消化不良、肝機能低下、糖尿病などが考えられます。消化不良の場合は、食べたものが胃や腸で停滞し、異常発酵することで腐ったような臭いの口臭が発生するのが特徴です。肝機能低下では、毒素が分解されないためにアンモニア臭がし、糖尿病では、アセトン臭という甘酸っぱい臭いが特徴的です。内臓など体に原因がある場合は、歯科医ではなく内科医の受診がおすすめです。
生理的口臭
口の中に原因がある場合で、「舌苔(ぜったい)」という舌の汚れや、歯の汚れ(プラーク)、虫歯、歯周病などが考えられます。「舌苔」とは、舌の表面に溜まった細菌の塊のことで、なかなかとれません。
舌の表面は、舌乳頭という凸凹の組織で覆われていて、ここに口や舌の表面からはがれた古い細胞や食べものが溜まると、それを栄養源とする細菌がどんどん増殖していきます。そうして細菌が臭いを出しながら、しかもネバネバとした物質を出し、ますますとれにくくなってしまうのです。
お口の中チェック!!
- 歯ぐきからよく出血する。
- 歯ぐきがよく腫れる。
- 口の中がネバネバする。
- グラグラした歯がある。
- 歯と歯の間に食べ物がよくはさまる。
- 穴のあいた歯がある。
- 歯の表面を舌でさわるとザラザラしている。
- 義歯、ブリッジ、冠などが、入っている。
- 舌を磨いたことがない。
- 口の中がパサパサしている。
1.2.3.4.5.に当てはまる
歯周病が原因。歯周病により、口腔内細菌により分解され、発生した物質が悪臭を放っています。
6に当てはまる
虫歯で空洞ができて、食べ物が入り食べ物が腐敗して、悪臭を放っています。
7.8.9に当てはまる
歯磨き不良により、歯垢や食物残渣が溜まって臭いの原因になっています。
10に当てはまる
唾液が少ないのが原因です。(口腔乾燥症)
治療方法
口臭の原因によって治療方法は変わります。口臭治療はまず原因を特定することが第一です。
むし歯・歯周病治療
口腔内のレントゲンの撮影や歯周病の検査を行い、原因を特定します。
虫歯治療や歯周病治療(専門的な歯石取りやブラッシング)などを行い、自宅でのブラッシングも丹念に行っていただくと徐々に改善します。
自宅でのケアは歯ブラシだけではなく、歯周病用の歯磨き粉、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助清掃用具、洗口剤を使うと、より効果的です。
ドライマウス
唾液の減少が原因で口が乾燥して口臭に繋がっている場合は、しっかり噛んで食事をするように心がけましょう。また、耳やあごの下あたりを優しくなでたり、ガムを噛んだりすることで、唾液の分泌をよくすることができます。
ガムには、一時的に口臭を抑える効果も期待できます。キシリトール100%のガムを噛むと同時に虫歯予防効果も期待できます。
口の中が乾燥すると口臭が出やすくなってしまうので、鼻呼吸を心がけることも大切です。また、こまめに水分をとるようにすれば、口の中が潤うため、細菌が繁殖しにくくなります。
シェーグレン症候群の場合は日常も唾液が出にくくなるため、マウスリンスや湿潤材を使いましょう。
舌の汚れ
舌苔の除去も大切です。1日1回舌ブラシを使ってケアを行いましょう。鏡で見ながら、ブラシで汚れをこすり取ります。舌苔は舌の奥に多くあるので、念入りに奥を掃除します。このとき息を止めると、吐き気を抑えることができます。
口臭が一番強いのは朝なので、朝食をとる前にケアするのが効果的です。
歯周病治療