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Column 審美歯科
銀歯に含まれる金属とアレルギー反応
アレルギーとは、アレルギーの素となる物質(アレルゲン)が身体に触れたり蓄積されたりすることで炎症や障害を生じるものです。
銀歯による金属アレルギーでアレルゲンとなるのは、唾液で口内に溶け出した金属イオンです。
金属は水分に触れると金属イオンになる性質があります。簡単に考えるなら、唾液に触れた銀歯が少しずつ溶けていく感じです。
口の中に溶け出した銀歯の金属イオンは、直接口の粘膜に触れたり唾液とともに飲み込んだりすることで長い時間をかけて身体に蓄積され、アレルギー反応を引き起こします。
金属アレルギーの発症スピードは遅いため、銀歯にしたからといってすぐにアレルギーを発症することはあまりありません。
多くは銀歯を入れてから5年後くらいに、口の粘膜の炎症や手足の湿疹などの症状が現れます。
銀歯で起こる金属アレルギーの症状
・銀歯が直接触れているところに起こる「接触性の金属アレルギー」
◦口内炎
◦舌炎
◦舌痛症
◦扁平苔癬
◦味覚異常 など
・体内に蓄積された金属イオンによって口以外の場所に起こる「全身性の金属アレルギー」
◦手足の皮が剥ける
◦身体の発疹
◦掌蹠膿疱症
◦偽アトピー性皮膚炎 など
全身性の金属アレルギーは、口とは関係ないところに症状が出るのが特徴です。
口の粘膜や唾液とともに飲み込んで体内に吸収された金属イオンが、汗に混ざって皮膚から出てくるときに、アレルギー症状を発症します。
そのため、銀歯による金属アレルギーだと気づかれず、単なる肌荒れや水虫などと間違われてしまうこともあります。
銀歯が金属アレルギーの原因かどうか調べる方法
- パッチテスト
パッチテストとは、アレルゲンとなりうる金属の成分がついたテープを背中に48時間貼り付けて、皮膚の反応を見る検査です。 - 血液検査(リンパ球刺激試験:Dental lymphocyte stimulation test・DLST)
採血を行い、培養した白血球に金属イオンを加えて金属アレルギーの有無を判定する検査です。 - 金属成分分析検査
パッチテストでアレルギー反応を起こす金属イオンの種類を判別したあとに行う検査です。
実際に口内にある銀歯の成分を採取して、アレルギー反応を起こす金属成分が含まれているかを確認します。
金属アレルギーは、必ずしもすべての金属に対してアレルギー反応を示す訳ではありません。
アクセサリーや時計などに使われる金属でも起こる可能性があります。
金属アレルギーでも使える保険適用の治療方法

銀歯が原因の金属アレルギーは、金属を使用しない被せ物(メタルフリークラウン)や詰め物(メタルフリーインレー)に交換することで、アレルギー症状の発現を抑えることができます。
基本的にメタルフリークラウンやメタルフリーインレーは、銀歯よりも審美性が高いため保険適用外とされてきましたが、現在は金属アレルギーの観点から一部のメタルフリー素材が保険適用となっています。
保険適用でできるメタルフリークラウンやインレーは、ハイブリッドセラミックで作るCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーです。
ハイブリッドセラミックとは、プラスチックとセラミックでできた白い素材です。
金属を使用していないため、金属アレルギーの心配がありません。
【金属アレルギーがある人のCAD/CAM冠・CAD/CAMインレー保険適用条件】
■金属アレルギーの診断書(診療情報提供書)があること
■治療対象は第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯(前から数えて4〜7番目の歯)に限る
また、保険適用のCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーは、保険適用外のメタルフリークラウンやインレーよりも強度が弱くて劣化しやすい傾向があります。
噛み合わせや食いしばりなどの影響でCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーがすぐ壊れてしまう恐れがある場合は、保険適用外の素材を検討するのがおすすめです。
金属アレルギーでも使える保険適用外の治療法は、ハイブリッドセラミック以外のメタルフリー素材を使った治療です。
保険適用外のメタルフリー素材には以下のような種類があり、強度や審美性などが異なります。
CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーに使われるハイブリッドセラミックよりも強度や審美性が高い素材なので、長持ちしやすいのが特徴です。
まとめ
金属アレルギーとは、アレルギーを持っている金属に触れることで、痒みや水脹れなどを起こすことです。
歯科では、金属の被せ物や詰め物、矯正器具などでも起こることがあります。
金属アレルギーがある場合は、ハイブリッドセラミックを使ったCAD/CAM冠・CAD/CAMインレーなら保険適用で治療可能です。
審美歯科、セラミック治療

