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Column 口腔外科 親知らず
親知らずとは、16歳前後に最後方に生えてくる大臼歯で第三大臼歯と言われています。
人によってはずっと生えてこないで中で留まっていたり、生まれつき親知らずがない人もいます。
親知らずは正常に生えてこない事が多い

顎が小さく、親知らずが生えるスペースがない場合が多いです。
智歯周囲炎とは?
親知らずが斜めに中途半端に生えると歯茎が部分的に被ったままの状態になります。
清掃が難しいため、汚れが溜まりやすく歯茎の炎症を起こす原因になり、これを「智歯周囲炎」と言います。
智歯周囲炎が重症化すると炎症が周りの組織に波及し、顔が腫れたり、口が開きにくくなります。
一度智歯周囲炎を引き起こすと炎症を繰り返すようになるため、多くの場合は親知らずの抜歯を勧められます。
抜歯する判断基準
親知らずが上下で正常に生えて噛み合っている場合は、特に抜く必要がありません。
しかし親知らずが原因で不快症状が生じたり、周りの歯に損傷を与えるような場合は抜くことを考える必要があります。

基本的には、歯を抜くメリットとデメリットを天秤にかけて、メリットの方が大きいと判断した時に抜歯の適応となります。
歯を抜いた方が良い場合
親知らず周囲の歯茎の腫れを繰り返す場合
親知らずが中途半端に生えて清掃が難しい部位があると、智歯周囲炎を起こす可能性があります。
一度智歯周囲炎を起こすと、症状が治まった後も細菌感染が残るため腫れを繰り返すようになります。
智歯周囲炎を繰り返すと、隣の歯を支えている骨が溶けるなどの悪影響も生じます。
親知らずが虫歯になってしまった場合
親知らずは一番奥の歯なので治療器具が届くように口を大きく開けてもらう必要があり、治療が大変なことが多いです。
また、手入れが困難な部位のため治療しても再び虫歯になる可能性があります。
このため、親知らずが虫歯になった場合はあえて治療をせずに抜いてしまった方が良い場合があります。
親知らずが原因で手前の歯が虫歯になってしまった場合
親知らずが原因で手前の第2大臼歯に虫歯が発症してしまった場合、第2大臼歯の治療のために親知らずを抜く必要があります。
親知らずが悪影響を与えている状況をそのまま放置すると、第2大臼歯の状態が悪くなりすぎて保存不可能になる危険性があります。
親知らずが歯並びに影響を与えている場合
親知らずが横向きになっている場合、手前の歯に後ろから押すような力がかかります。
親知らずが手前の歯を強く押くことによって、歯並びが悪くなってしまうことがあります。
噛んだ時に親知らずが歯茎や頬の粘膜を傷つける場合
歯は噛み合う相手がいないとどんどん伸びていきます。
歯が伸びると向かいの歯茎や頬の粘膜に接触するようになり、痛みを引き起こすようになります。
含歯性嚢胞が出来ている場合
含歯性嚢胞(がんしせいのうほう)
感染を起こすと腫れてきたり、隣の歯の根を侵食して溶かしてしまう事もあります。
良性腫瘍なので、手術をして摘出することが必要になる場合もあります。

抜かなくてもいい親知らず
きれいに生えている親知らず
上下の親知らずがまっすぐに生えて嚙み合っていて、周囲に炎症や虫歯がない場合は、無理に抜く必要はありません。
変化のない埋伏歯
完全に骨の中に埋まっていて、歯肉の上にも出ていない親知らずで、レントゲン写真でも病変が認められない場合には、定期的な経過観察で問題ないことがあります。
ただし、加齢により免疫力が低下すると埋伏歯の周囲に感染が起こるケースもあるため、年に1回程度はレントゲンなどで確認するのが望ましいです。
まとめ
親知らずが上下で正常に生えて噛み合っている場合は、特に抜く必要がありません。
しかし親知らずが原因で不快症状が生じたり、周りの歯に損傷を与えるような場合は抜くことを考える必要があります。
基本的には、歯を抜くメリットとデメリットを天秤にかけて、メリットの方が大きいと判断した時に抜歯の適応となります。
CT撮影装置を用いることで親知らずの難易度を正確に診断することが可能です。
心配な方はCT撮影装置を備えた歯科医院を受診されることをお勧めします。
親知らず

