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Column
お口の中にできる物で一番多いのは口内炎ですが、まれに発症することがある粘液嚢胞について今回お話させていただきたいと思います。
粘液嚢胞(のうほう)とは?
口の中は粘膜の保護や洗浄・殺菌・抗菌・排泄を目的として唾液を分泌し、常に湿った状態にしておく必要があります。その唾液が分泌される腺を唾液腺と呼びます。この唾液腺からの唾液の分泌がうまくいかずに、唾液腺の周囲に唾液が溜まっている状態を粘液嚢胞と言います。
唾液腺が詰まる理由として、粘膜が傷つけられることがあげられます。
原因
・口内炎
・粘膜をかんだ
・矯正器具や歯が当たった など
これらによって粘膜が傷つき、粘膜の傷が治るときに唾液を出す管が詰まり粘液嚢胞になると言われています。硬さは粘膜と同じような柔らかさで、痛みはありません。ある程度の大きさまで膨らむと潰れ、中から粘り気のある液体が出てきます。その後、傷がふさがると再び内部に唾液が溜まりまたできます。
潰れて小さくなることもありますが、再発することが多く自然に治ることは少ないです。
また再発を繰り返すと白っぽくなっていきます。
細菌性やウイルス性ではないためうつることはありません。
症状とよくできる場所
直径5mm~15cm程度の水膨れ
痛みはなく、透明(ピンク色の場合もある)ただし大きくなると、食事や話すときに不快感を伴うことがあります。
下唇や舌の裏側、頬の内側によくできます。上の唇にはほとんどできません。
10歳未満の子ども~30代の大人に見受けられますが、50歳以降の方には発症例はほとんどありません。
種類
・下唇粘液嚢胞 下の唇の内側にできる
下唇をかんだりすることが原因
粘液嚢胞の中で最も多い
・舌下粘液嚢胞 舌の裏側や口の底にできる
がま腫と言われている
ガマガエルがのどを膨らませた様に見えることから、この名前が付けられたと言
われている
・頬粘液嚢胞 頬の内側にできる
歯や食べ物など頬を刺激する物が原因
治療法
自然治癒が難しいため、外科手術による治療が一般的です。
局所麻酔をして唾液腺ごと切除します。がま腫の場合は全身麻酔で手術することもあります。
手術をしても再発する可能性もあります。
当院で切除が難しい場合(再発を繰り返している場合は詳しい検査が必要になることがあります。)は、総合病院や大学病院を紹介させていただきます。
口腔外科